猫に教えてもらったこと
2022.08.19 Fri
JOURNAL
お盆を過ぎたら急に空が 秋の色に変わりました。
空が高くなり、風に秋の気配を感じます。
それにしても今年の夏は暑かったですね。
年々徐々にではなくこの数年で一気に気温の上昇を肌で感じます。
それは、動物も同じらしく、
そのせいかどうか分かりませんが、
筆者の家の猫がこの夏に多分死んでしまいました。
多分、
というのは、
死んでしまったその姿を誰もみていないのです。
筆者の家は最近では珍しいらしい庭猫で 、家と外とを自由に行き来できるようにしていました。
調子が悪くても猫は自分で食事の量を調整したり、動く量を調節したりと元来賢い生き物ということで、極力病院などには連れて行かず猫任せを貫いておりました。
それがこの8月、猛暑日が続く中、固形物を口に入れなくなり口に入れるものは水だけになってしまいました。(そんな時でもトイレは自分で外に出てしていました)
クーラーのある部屋には寄り付かずひたすらじっと過ごす日々。
そんな状態が一週間続き、ついに庭に出て見えるところにじっとするようになりました。家に連れて帰ってもすぐに外に戻ってじっとしてしまいます。
それから数日、
台風が過ぎたお盆の8/15に姿が消えていたのです。
おそらく死期を悟り、死に場所として見えないところに弱った体を移動して息を引き取ったと思われます。
14歳という年齢だったためそれが寿命といえばそうのような気もするし、何かの病気に罹ったのかもしれません。
しかし、筆者には今年のこの暑さが自然を生きる動物としてあり得ない気温だ!と悟ったのではないかと思えてならないのです。
猫は思慮深く賢い生き物です。
自分は死ぬんだと悟ると固形物を排泄しないように食べることはせず、(天敵に弱ったところを見つけられないように?)
弱っていく中で最後に死に場所にだどりつけるように家の中から外に場所を移し、そしてその死に姿は誰にも見せない。
そんな猫のことですから、この気温上昇をさぞかしおかしなことだと思っていただろうと思います。
そして、こんな気温のところに生きていられない!
そう悟ってしまったのでは?と思ってしまいます。
人間は・・・
本当に愚かな生き物ですね。
猛暑でもクーラーをガンガンかけて小さい扇風機を片手に持っていれば大丈夫、なんて思っている。
その電力がまた地球を温暖化させてもいるというのに。
病気になればその病気に抗いたくさんの薬を飲んでその副作用を抑えるために他の薬を飲んで、もはやオリジナルの体調がどれなのか判別できないほどに。
もうダメだと死に場所を探すことももちろんしない。
自然のままに生きて自然のままに死んだ猫を見て、
人間もこうであれば地球はもしかしたらもっと元気なままだったのかもしれないと思った夏の終わりの出来事でした。
14年前、CIELOAZULの前で拾った猫は
いわゆる映え要素の少ない地味な猫でしたが、
我が家の庭で幸せに暮らし、
最後にとても大切なことを教えてくれました。
今までたくさんの癒しをありがとう。
(多分)お空の上で歴代の飼い猫たちと穏やかな暮らしを続けていることでしょう。
追記。
死んでしまったと思っていた猫がこの↑6日後の朝、よろよろの体で一度帰ってきたのです!
しかし食事はもちろん水も飲まなかった。
でも飼い主に向かってにゃーにゃーと鳴き、30分ほど滞在した後、
また自分で外に出てよろよろと人間の入ることのできない草むらの中に入っていきました。
今度こそ「お隠れ」になったと思われます。
人間も死ぬその少し前、一瞬急に元気になってこれまでお世話になった相手に感謝の言葉を発したりするというので
猫は飼い主たちに
「にゃーにゃー(わたししぬよ、いままでありがとね)」
と言いに来たのではないかと思います。
その言葉を尊重して、それ以上猫を追いかけることはしませんでした。猫は、、そのまま骨となって土の栄養となることを望んでいるように見えたので。
今度こそ歴代のペットとして飼っていた動物たちと共に我が家の庭のどこかで眠ったのだと思います。
人間もそんなふうに土に帰れたらどんなに素晴らしいか。
でも庭に人が埋まっていたら警察沙汰になってしまいますね!
猫はどこまでも賢く、自然で、本当に学ぶべきことがたくさんあった出来事でした。